わが鉄道趣味の原点
クロニクルセンター長 あべ しげお
左の写真は昭和52年(1978)頃、仙台駅4番線ホームでのひとコマです。
当時私は小学校2年生。東京に出かける祖父に記念に撮ってもらったもののようです。
その頃の仙台駅は東北新幹線開業前夜で、背景には完成した新しい駅舎が写っていますし、写真の通り東北の名特急だった「ひばり」も堂々12両で1日15往復の隆盛を誇っていました。さらに「ひばり」の奥にはED75牽引の後続の普通列車も見えます。
乗車する祖父を見て、「いつか僕もこの特急に乗ってみたいなあ」と子供ながらに思っていたことでしょう。伝統の特急カラーに絵入りのヘッドマークを掲げた「ひばり」の姿に、すっかり感動していました。
この「ひばり」との対面こそが、私が鉄道を好きになった原点だったのだと今改めてそう考えています。
あれからもう20年以上が過ぎました。かつての「ひばり」は昭和57年(1982)11月、東北新幹線に道を譲って廃止され、結局私は「ひばり」には3度しか乗車することができませんでした。写真を撮ってくれた祖父もすでに亡くなり、30歳をこえた私はその後現在に至るまで、ずっと鉄道が好きでこの趣味を続けています。
「人の趣味や嗜好は生活や環境の変化によって変わっていくものだ」と言う人もいます。しかしながら私はこの30年近くずっと鉄道を趣味としてきましたし、それがこれまでの自分の生活の支えの1つとなってきました。今は30年来鉄道を趣味としてきたことを誇りに思っています。
21世紀に入り、社会も、鉄道も、そして私も今後大きく変わっていくことでしょう。しかしこれからも自らの意欲のある限り、鉄道を趣味として生きていきたいと考えています。 |